■桟積みとは?そしてなぜ天然乾燥なのか?
桟積みは天然乾燥もしくは自然乾燥と呼ばれ、木材の質を正常でしかも良質に仕上げるための有効手段として広く知られています。アイアイウッドも葉枯らし乾燥を経た後は左写真のような形の乾燥方法をとります。
世間一般に出回る住宅用の材木の多くは『人工乾燥』と呼ばれる火力による強制急速乾燥により行われます。これは、大量の需要にたいしてすばやく対応するための手段として開発され、最近では最もポピュラーな乾燥方法です。しかし、この乾燥方法は量産しやすく、安価に販売できる反面、多大なマイナス面がありました。そのマイナス面を避け、しかも量産が出来る方法の答えが桟積みによる乾燥でした。
■人工乾燥のプラスとマイナス面
人工乾燥は、温度や湿度、風の流れなどを人為的に操作しながら木材を乾燥させる方法です。材料の種類に応じて最も適当と思われる乾燥条件を任意にそうさ、調整することも出来ます。また、前述の通りコストも安く、手間も掛からない分大量生産が可能で重宝されます。
当然のことながら熱を利用して乾かすので、燃料が使われます。燃料としては灯油を用いるのが一般的ですが、1立方メートルを乾燥させるのに70リットル~100リットルの灯油を必要とします。これは、CO2削減が叫ばれる昨今においてはあまり前向きな方法とはいえません。
また、材木そのものに対してもデメリットがあります。まず、強制乾燥により水分だけでなく油分もぬけてしまいます。そして、木材表面には見て取れない『内部割れ』を引き起こします。これはらは強度の著しい低下を意味します。現実的には、建築作業中に木自体がすぐに「かける」という自体が起こります。のみで削ろうとした時、意図しない方向にぽろりといってしまうほどもろくなります。
■天然乾燥へのこだわり
アイアイウッドはおよそ1年もの期間を掛けてじっくり乾燥されます。天然乾燥された木材は、木本来が持つ強さと粘りが保たれます。また、見た目にも色艶が良く、無骨な原木から才色兼備な材木として生まれ変わらせることができます。ちなみに、表面に現れる亀裂は『水分の逃げ道』として、木が自然に作った出口のようなものです。ですから当然のことながら強度や粘りには一切支障はありません。
天然乾燥では、木材はまず屋外に3ヶ月ほど桟積みされます。そこで葉枯らし乾燥の第二段階のように雨、風、日光をあびて、とことん自然な状態で無理なく乾燥していきます。
そのご、倉庫などの屋内に移されまるでワインのように、ゆっくりと熟成され出荷のときを待ちます。
通常数万本にも及ぶ材木を1年も寝かすことは経営的に難しいとされていますが、アイアイウッドはそれを実行し、良質な木材を大量に供給できる体制を整えています。
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